世界的に有名な舞踏の創始者、土方巽は生まれてから20歳まで秋田市保戸野で過ごしています。後年、土方巽は秋田での幼少期の思い出に因んだ舞踏の原風景とも言える書物「病める舞姫」を発表しています。新しい舞踏創造のための「舞踏譜」として書かれたものですが、その視点は舞踏だけでなく、すべての芸術に通ずる発想の原点として、又、哲学書、文学書としても高い評価を得ております。当会は4年にわたり「病める舞姫」を解読し朗読する活動を続けており、2016年にはこうした取組が認められ、AAFアサヒアートフェステバルプロジェクトにも採用されております。土方巽亡き後、直弟子や大野一雄氏はじめ影響を受けた舞踏家たちによって、ますます発展を遂げている舞踏の本質を生地、秋田において継承し検証するための公演も継続的に開催しております。2018年の土方巽生誕90年に当たり、秋田市の路上や建物、土崎港を舞台に大野慶人氏、和栗由紀夫氏、小林嵯峨氏、山本萌氏、白榊ケイ氏、雪雄子氏など世界的に人気が高く、土方巽と縁の深い舞踏家の協力を得て、細江英公氏の教え子である写真家谷口雅彦氏により2017年6月から5か月間にわたり撮影した写真を写真集にまとめ、併せて展示会開催を企画しております。この展示会は秋田市を皮切りに日本及び世界各地で関係者の協力を得て開催していく予定で、キャプション及びパンフレットの解説文、広告文なども英文併記を予定しております。会場内においてシンポジューム等も予定。9月1日と2日は千秋公園、本丸で当会と市民ボランテァ、秋田市による実行委員会主催の「アジアトライAKITA2018千秋芸術祭」を継続開催する事になっております。昨年はインドネシア、カナダ、韓国など世界各国の民俗舞踊家、日本各地の舞踏家が集結、地元のダンサーや民俗芸能の踊り手も参加、1700人の市民と交流しました。舞踏家の豊かな表現によって引き出された秋田市の魅力を再認識し、世界に発信する機会であり、芸術的且つユニークな写真展になると確信しております。